胎児超音波スクリーニング外来(胎児ドック)
本来妊婦健診では、妊娠が順調に経過しているかを確認することが目的であるため、お腹の中の赤ちゃんの観察は必ずしも必要とされていません。日本では、超音波診断装置の発達・普及と、妊婦様の「赤ちゃんが動いている様子やお顔をみたい、性別を知りたいなどの希望」から、多くの施設で毎回の健診において超音波検査を併用しています。当院においても、毎回の健診で超音波検査を行っております。
超音波検査には、妊婦健診時に行われる「通常超音波検査」と、胎児の構造異常の診断を目的とした「胎児超音波検査」の2種類があります。「通常超音波検査」では、異所性妊娠(子宮外妊娠)の有無や、胎児の発育、胎位(逆子がどうかなど)、羊水の量などを評価します。そして「胎児超音波検査」は、胎児の診断を目的とした超音波検査であり、現在のところ、全妊婦を対象とした標準検査ではないため、開業医、総合病院問わず、どの産科施設でも「胎児超音波検査」を受けられるわけではありません。
もちろん「通常超音波検査」において、偶発的に胎児の臓器の構造的な疾患が見つかることもしばしばありますが、診断することを目的としていないため、見つかることもあれば、見つからないこともあるのが現実です。「胎児超音波検査」は、妊娠期間中に1回もしくは2回、時間をかけてしっかりと受けていただくことが効果的とされています。
当院にご通院される妊婦様の中で、上のお子様の妊婦健診を総合病院で受けられた方から、「総合病院で施行されなかった検査だから必要ない」、「総合病院ではそんな検査の案内は無かった」とおっしゃられるケースがございます。「胎児超音波検査」は現時点で一般的ではないため、静岡市内の総合病院において、行っている施設もあれば、行っていない施設もあること、市内の開業医院ではあまり行われていないのが実情です。
胎児超音波スクリーニング検査は、お子様の臓器の構造的な疾患がないことを確認していく外来です。もし心配な徴候(疾患)が認められた場合には、適切な施設でのご出産や、出生直後からお子様の治療を行える病院をご紹介させていただきます。(静岡市の方は、静岡県立こども病院にご紹介させていただきます。)疾患の内容によっては、出生後の赤ちゃんの急変が考えにくく、早期の治療が必要ないものもあり、その場合には当院で出産が可能です。退院後に静岡県立こども病院へご紹介させていただきます。
- 他院通院中の妊婦様で、上のお子さんが重症の病気であった方、今回のご妊娠で心配な所見が認められている方の精査は行っておりますので、ご相談ください。
- 赤ちゃんの状態を生まれる前に知りたくないというお考えの方で、胎児超音波スクリーニング検査をご希望なされない場合は、「通常超音波検査」に替えさせていただきます。
- 胎児の臓器の構造的な疾患を診断する検査のため、ダウン症候群のような染色体異常を診断することはできません。
- 出生直後から早期の医療介入とその後の厳重管理が必要な病気の検出が主な目的です。指先や心臓にあいた小さな穴、胎児の身体の表面的な異常など、診断が困難な臓器の構造的な疾患も存在します。
検査費用
当院かかりつけの妊婦様
- 県内の妊婦様
- 追加料金はございません。
- 他県から里帰りの妊婦様
- 5300円/1回
当院かかりつけ以外の妊婦様
- 当院かかりつけ以外の妊婦様
- 20000円/1回